北海道函館市で施工した、育成牛向けのビニールハウス牛舎です。
建物は間口10.8m×奥行18m、肩高3.0m。大型ビニールハウス(パイプハウス)をベースに、育成牛の月齢に合わせて牛床を区画し、給餌・除糞などの日常作業がしやすい動線を計画しました。
この記事では、実際の平面図や施工写真をもとに、育成牛舎の寸法・内部配置・換気・設備・現在建てた場合の費用目安に加え、実際に使用してから分かった改善点まで紹介します。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 所在地 | 北海道函館市 |
| 用途 | 育成牛舎 |
| 建物寸法 | 間口10.8m × 奥行18m |
| 肩高 | 3.0m |
| 面積 | 194.4㎡(約58.8坪) |
| 構造 | 大型ビニールハウス(パイプハウス) |
| アーチ材 | 48.6mm単管 |
| 屋根 | 白色POフィルム |
| 側面 | 白色+透明巻き上げ |
| 換気 | 側面巻き上げ |
| 主な設備 | スタンチョン・水槽・仕切り柵 |
| 搬出入 | 吊り戸 |
| 施工期間 | 約3週間 |
育成牛舎内部は、牛床・除糞兼採食通路・給餌通路に分けています。牛床は育成牛の月齢に応じて区画し、成長段階に合わせて管理できる配置としました。
また、日々の給餌やホイルローダーによる除糞作業を考え、牛の飼養スペースだけでなく、人と機械の動線も考慮して通路を配置しています。
内部には、セルフロックスタンチョン、水槽、仕切り柵を配置しています。
平面図では、牛床を月齢に応じて区画し、それぞれの区画から採食できるようスタンチョンを配置しています。また、給餌通路と除糞・採食通路を分け、日常の給餌や除糞作業を行いやすいレイアウトとしました。
| 内容 | 概算価格 |
|---|---|
| 建屋 | 約380万円 |
| 支柱工事 | 約60万円 |
| スタンチョン | 約60万円 |
| 水槽3基 | 約60万円 |
| 回転柵 | 約64万円 |
| 合計 | 約624万円 |
土間コンクリート工事は別途となります。コンクリート工事は施工地域や現場条件による価格差が大きいため、現地条件を確認したうえでの見積もりとなります。
※上記は現在同程度の仕様で施工する場合の概算目安です。実際の価格は寸法・設備・施工地域・現場条件などによって変動します。
今回の育成牛舎は、建屋から内部設備の施工まで約3週間で完成しました。
大型ビニールハウスをベースにすることで、牛床や給餌・除糞の動線、スタンチョンや仕切り柵など、育成牛舎として必要な設備を組み込みながら施工しています。
※工期は建物の規模・設備内容・現場条件・天候などによって変わります。
この牛舎は完成時の仕様だけでなく、実際に牛を入れて使用したことで分かった改善点があります。
現在同様の育成牛舎を計画する場合は、こうした経験も設計に反映します。
施工後、高さ約2.5m付近にある透明POフィルムを牛が引っ張ることがありました。
当初は牛が触りにくい高さと考えていましたが、外側に見える草などに反応すると、想定以上の高さまで口を伸ばすことが分かりました。
現在設計する場合は、単純な高さだけで判断せず、牛から見えるものや牛が接触する可能性まで考えて、フィルムの位置や保護方法を検討します。
この牛舎では、牛舎内部の腰壁に木材を使用しました。
木材はパネコートとは性質が異なり、石灰などの消毒剤を使用する際には扱いやすい面がある一方、水分や糞尿などの影響による腐食には注意が必要です。
牛舎の腰壁材は価格や強度だけでなく、清掃・消毒方法や交換のしやすさまで含めて選ぶ必要があります。
使用後、特に劣化が目立ったのが吊り戸の下部でした。
床面に近い位置は糞尿や水分の影響を受けやすく、腐食が進みやすくなります。
同様の牛舎を現在設計するなら、吊り戸を床面ギリギリまで下げるのではなく、下端をある程度床から離すなど、糞尿が直接触れにくい納まりを検討します。
育成牛舎は、飼養頭数だけでなく、牛の月齢や給餌方法、除糞方法、使用する機械によって必要な広さや内部配置が変わります。
北部農機では、大型ビニールハウスを利用した育成牛舎について、建物だけでなく、牛床・給餌通路・除糞動線・スタンチョン・水槽・仕切り柵などを含めた配置をご提案しています。
図面がない段階でもご相談いただけます。
飼養予定頭数・牛の月齢・施工地域など、分かる範囲をお知らせください。